【キャリコンFP監修】就職・転職の失敗しない考え方、Can・Will・Mustの接点を意識したベストマッチ①

就職や転職を考えるとき、
「自分に合う仕事がわからない」
「やりたいことを優先すべきか、条件を優先すべきか迷う」
「今の仕事を続けるべきか、転職すべきか判断できない」と悩む人は少なくありません。
仕事選びでは、給与や勤務地、会社の知名度だけで判断してしまうことがあります。もちろん条件は大切です。しかし、それだけで選ぶと、入社後に「思っていた仕事と違った」「自分の強みが活かせない」「長く続けるイメージが持てない」と感じることもあります。
そこで役立つのが、キャリアのCan・Will・Mustの視点です。
Canは「できること」。
Willは「やりたいこと」。
Mustは「求められること」。
この3つの接点を考えることで、自分にとって納得感のある就職・転職先を見つけやすくなります。
Can・Will・Mustは法令上の定義ではなく、自己理解と職業理解を整理するために活用される一つのフレームワークです。3要素の重なりだけで、就職・転職の結果が決まるものではありません。
【結論】自己理解と職業理解から、自分らしいキャリアを選択しましょう。
Can・Will・Mustとは何か
就職・転職で大切なのは、どれか一つだけを優先するのではなく、3つの重なりを意識することです。
| 視点 | 意味 | 考えるポイント |
|---|---|---|
| Can | 自分ができること | 経験、スキル、強み、得意なこと、周囲から評価されること |
| Will | 自分がやりたいこと | 興味、価値観、働く目的、将来ありたい姿 |
| Must | 求められること | 組織や職務上、求められる役割・目標、職務内容、期待される成果 |
たとえば、Willだけで仕事を選ぶと、「やりたい気持ちはあるけれど、必要なスキルが足りず苦しくなる」ことがあります。
Canだけで選ぶと、「できる仕事だけれど、やりがいや成長実感が持てない」ことがあります。
Mustだけで選ぶと、「条件はよいけれど、自分らしさを感じられない」ことがあります。
Can・Will・Mustを照合することは、納得感のある就職・転職先を検討するための一つの方法です。
自分の強みを活かせるか、やりたい方向性に近づけるか、企業・組織から求められる役割に対応できるかを、希望・制約条件と併せて確認することです。
Can:自分ができることを知る
Canは、自分の経験・知識や強み・スキルを整理する視点です。
ここで大切なのは、「資格や専門スキルだけがCanではない」ということです。
たとえば、次のような力も大切なCanです。
人の話を丁寧に聞ける。
物事をコツコツ続けられる。
数字を扱うのが得意。
相手にわかりやすく説明できる。
チームの調整役になれる。
初対面の人と関係をつくるのが得意。
細かい確認作業を正確にできる。
自分では当たり前だと思っていることが、仕事では強みになる場合があります。
そのため、Canを整理するときは、「自分が得意だと思うこと」だけでなく、「周囲からよく頼まれること」「感謝されること」「あまり苦労せずにできること」にも目を向けることが大切です。
Canを整理する問い
「これまでの仕事や学生生活で、成果を出せたことは何か」
「人から褒められたこと、頼まれやすいことは何か」
「苦手な人が多いけれど、自分は比較的できることは何か」
「これまで身につけた知識・スキル・経験は何か」
「自分が自然に工夫していることは何か」
就職・転職活動では、自分のCanを言語化できると、自己PRや職務経歴書、面接での説明にもつながります。
Will:自分がやりたいことを知る
Willは、自分の興味関心や価値観、働く目的を整理する視点です。
ただし、「やりたいこと」という言葉に苦手意識を持つ人もいます。
「明確な夢がない」
「好きなことを仕事にできるかわからない」
「やりたい仕事と言われても思いつかない」
という人もいるでしょう。
その場合、Willは大きな夢でなくても構いません。
「どんな働き方をしたいか」
「どんな人の役に立ちたいか」
「どんな環境なら力を発揮しやすいか」
「何を大切にして働きたいか」
という視点で考えると、見つけやすくなります。
たとえば、Willには次のようなものがあります。
人の生活を支える仕事がしたい。
仕事の専門性を高めたい。
安定した環境で長く働きたい。
新しいことに挑戦できる環境がよい。
家庭や自分の時間も大切にしたい。
大きなプロジェクトに関わる仕事がしたい。
社会課題の解決に関わりたい。
自分のアイディアを形にできる仕事がしたい。
Willは、仕事の内容だけではなく、働き方や人生設計とも関係します。
そのため、就職・転職を考えるときは、「会社に入ること」だけでなく、「どんな生活を送りたいか」まで含めて考えることが大切です。
Willを整理する問い
「どんな仕事をしているときに、やりがいを感じるか」
「どんな人や社会に貢献したいか」
「仕事で大切にしたい価値観は何か」
「どんな働き方なら長く続けられそうか」
「将来、どのような自分でありたいか」
Willが明確になると、求人を見るときの判断軸ができます。
条件だけに流されず、自分にとって納得できる選択をしやすくなります。
Must:求められること・役割を理解する
Mustは、企業や社会から求められることです。
就職・転職では、自分がやりたいことやできることだけでなく、応募先が何を求めているのかを理解する必要があります。
企業は、採用方針や職種に応じて、人柄や意欲に加え、その職場で担える役割や期待される成果も確認します。
その職場でどのような役割を担い、どのような成果を出してくれるか、期待役割を見ています。
たとえば、営業職であれば顧客との関係構築や売上への貢献が求められます。
事務職であれば正確性や調整力、サポート力が求められます。
IT職であれば技術力だけでなく、課題解決力やチームで開発を進める力も求められます。
管理職であれば、部下育成や判断力、組織全体を見る力・マネジメント力が求められます。
給与、勤務地、勤務時間、休日、福利厚生、転勤の有無、家庭との両立などは、Mustとは分けて「希望条件・制約条件」として整理すると、仕事上の期待役割と生活条件を混同せずに検討できます。
いくらやりたい仕事でも、生活が成り立たなければ続けることは難しくなります。
いくら条件が良くても、求められる役割と自分の強みが合わなければ、入社後に苦しくなることもあります。
Mustを整理する問い
「企業はこの職種に何を期待しているか」
「この仕事で成果を出すには、どんな力が必要か」
「求人票の仕事内容は、実際にはどのような業務か」
「自分の生活上、譲れない希望条件・制約条件は何か」
「入社後に求められる責任や働き方を受け入れられるか」
Mustを確認することは、職業理解を深める一つの要素です。
求人票の表面的な条件だけでなく、仕事内容、求められる能力、働き方、キャリアの広がりまで確認することが重要です。
job tagでは、職業ごとの一般的な仕事内容、タスク、必要な知識・スキルなどを確認できます。ただし、個別企業の実際の業務内容や労働条件は、求人票、企業の公式情報、採用担当者への確認などを併用してください。
求人票や企業サイトは募集時点の情報です。応募・入社前には、企業から明示される労働条件を書面等で確認しましょう。2024年4月以降、就業場所・業務の変更範囲や、有期契約の場合の更新上限なども明示事項に追加されています。
Can・Will・Mustを整理するには
自己理解と職業理解の両方が必要
就職・転職活動では、自己理解ばかりに目が向くことがあります。
しかし、自分の強みや希望を整理するだけでは、納得感のある選択にはつながりにくくなります。
一方で、職業理解だけに偏ると、「世の中で需要がある仕事」「条件が良い仕事」だけを追いかけてしまい、自分に合うかどうかを見落としてしまいます。
大切なのは、自己理解と職業理解を相互に行き来しながら深めることです。
| 視点 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 自己理解 | 経験、強み、能力、興味、価値観、希望条件などを整理する | 自分の特徴、働く目的、希望・制約条件を知る |
| 職業理解 | 仕事内容、必要な能力、期待役割などを調べる | 仕事内容、期待役割、労働条件、職場環境を知る |
| 接点の確認 | Can・Will・Mustと希望条件を照合する | 自分に合う可能性のある就職・転職先を検討する |
自己理解だけでは「自分が何をしたいか」は見えても、「その仕事で何が求められるか、自分に合うか」は見えません。
職業理解だけでは「どんな求人があるか」は見えても、「自分に合うか、貢献できるか」は判断しにくくなります。
だからこそ、就職・転職では、
「自分は何ができて、何が強みなのか」
「何に興味があり、何を大切にしたいのか」
「その仕事では何が求められるのか、期待役割」までをセットで考える必要があります。
Can・Will・Mustを整理することが、納得できる就職・転職の第一歩
大切なのは、Can・Will・Mustの3つの視点から、自分と仕事の接点を考えることです。
Canは、自分ができること。
これまでの経験、スキル、強み、得意なこと、周囲から評価されてきたことです。
Willは、自分がやりたいこと。
興味のある分野、働くうえで大切にしたい価値観、将来ありたい姿、実現したい働き方です。
Mustは、求められること。
企業や職場が期待する役割、必要な能力、成果、そして自分の生活を守るために必要な条件です。
この3つを整理することで、「自分に合う仕事とは何か」を考えやすくなり、条件だけに流されず、自分らしいキャリア選択に近づくことができます。
就職・転職は、単にお金を稼ぐために働く会社を選ぶことではありません。
自分の強みを活かし、価値観に合った働き方を考え、社会や企業から求められる役割に応えていくことです。
Can・Will・Mustの視点は、そのための整理軸になります。
まずは自分を知り、仕事を知ることから、納得感のある一歩を考えていきましょう。
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PrivateFp合同会社は、ファイナンシャル・プランニングとキャリアコンサルティングの実務経験を踏まえ、相談者ご自身が納得できるキャリアの選択肢を整理できるよう支援します。
状況や価値観に合う選択肢を一緒に整理します。お気軽にご相談ください。
Q&A よくある質問
-
「やりたいこと」がはっきりしていない場合はどうすればいいですか?
-
やりたいことが明確でなくても問題ありません。わからないときは、まず「どんな働き方を大切にしたいか」「どんな環境なら力を発揮しやすいか」から考えてみると、Willが見えやすくなります。
-
自分のCanが少ないと感じる場合、どう整理すればよいですか?
-
Canは、資格や専門スキルだけではありません。長所など自分では当たり前だと思っていることが、職場では価値になることがあります。「周囲からよく頼まれること」「人に感謝されたこと」「苦労せず自然にできていること」を振り返ってみましょう。
-
自己理解と職業理解は、どちらから始めるべきですか?
-
どちらから始めても構いません。大切なのは、自己理解と職業理解を相互に行き来しながら深めることです。
-
職業理解では、どのような点を確認すればよいですか?
-
職業理解では、職種名や企業名だけで判断しないことが大切です。同じ職種でも、業界や企業によって仕事内容や求められる力は大きく異なります。求人票だけでわからない場合は、企業ホームページ、説明会、社員インタビューなどを通じて確認するとよいでしょう。実務では、一次情報 公式サイト 厚生労働省ホームページ 職業情報提供サイト(job tag)を利用しています。
※本記事は2026年9月16日時点の公表情報に基づく一般的な解説です。Can・Will・Mustはキャリアを整理するための一つの枠組みであり、採用・内定や入社後の適合を保証するものではありません。実際の求人条件や選考基準は企業・職種ごとに異なるため、応募・入社前に企業から明示される労働条件を書面等で確認してください。
参考資料
一次情報 公式サイト 厚生労働省ホームページ 職業情報提供サイト(job tag)
一次情報 公式サイト 厚生労働省マイジョブ・カードホームページ 自己診断一覧
一次情報 公式サイト 厚生労働省マイジョブ・カードホームページ キャリア・プラン作成補助シート(求職者用)
一次情報 公式サイト キャリア形成・リスキリング支援センターホームページ キャリアコンサルティングとは
一次情報 公式サイト 厚生労働省ホームページ 2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
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