【1級FP監修】変額保険とNISAを比べてみた、保障と資産形成は「一緒」と「別々」、どちらが合う?

「万一の保障を準備しながら、将来に向けた資産形成もしたい」
そのような希望に応える選択肢として、変額保険を検討される方が増えています。
一方で、死亡保障は定期保険で準備し、資産形成はNISAを利用して行う方法もあります。
ただし、変額保険には死亡保障があり、NISAには死亡保障がありません。そのため、変額保険とNISAだけを直接比べるのではなく、同じ死亡保障と同じ家計負担にそろえて比較することが大切です。
今回は、20歳から65歳までの45年間、①変額保険単独加入、A生命保険、変額保険の死亡保険金1,000万円、月額保険料11,530円と②定期保険とNISAを加入、Z生命保険、定期保険の死亡保険金1,000万円とNISAを毎月積立投資の合計額11,530円という条件で比べてみました。
【結論】そもそも金融商品の特徴が違う、加入する目的別に自分に合う選択を行いましょう。
今回の比較条件
| 項目 | ①変額保険(A生命) | ②定期保険(Z生命)+NISA |
|---|---|---|
| 加入年齢 | 20歳 | 20歳 |
| 満了年齢 | 65歳 | 65歳 |
| 期間 | 45年間 | 45年間 |
| 死亡保障 | 1,000万円 | 定期保険1,000万円 |
| 毎月の負担 | 11,530円 | 定期保険1,480円+NISA10,050円 |
| 毎月の合計 | 11,530円 | 11,530円 |
「定期保険+NISA」では、毎月の予算11,530円(変額保険の保険料と同一)のうち、1,480円を死亡保障に、残りの10,050円をNISAでの資産形成に充てる設計です。
(保険料は2026年7/1時点)
45年間に支払う総額金額
45年間は、月数にすると540か月です。
①変額保険の保険料を毎月11,530円を45年間支払った場合、家計から支出する総額は次のようになります。
11,530円×540か月=6,226,200円
②定期保険とNISAに分けた場合の内訳は、次のとおりです。
| 内訳 | 45年間の合計 |
|---|---|
| 定期保険料 | 1,480円×540か月=799,200円 |
| NISAへの積立元本 | 10,050円×540か月=5,427,000円 |
| 家計からの総支出 | 6,226,200円 |
毎月の家計負担は同じですが、「保障にいくら支払い、資産形成にいくら回しているか」が明確になります。
変額保険を年率3%で45年間支払いした場合
毎月11,530円を、20歳から65歳までの45年間、年率3%で保険料を支払い仮定すると、65歳時点の満期保険金の金額は1,000万円と死亡保険金と同額になります。
NISAを年率3%で45年間運用した場合
毎月10,050円を、20歳から65歳までの45年間、年率3%で積み立てたと仮定すると、65歳時点の試算額は次のとおりです。
11,460,748円
内訳は、
- 積立元本:5,427,000円
- 想定運用益:6,033,748円
となります。
なお、この11,460,748円は、年率3%で継続して運用できたと仮定したシミュレーションであり、将来の金額を保証するものではありません。実際の運用結果は、選択する商品、相場、運用期間、手数料、売却時期などによって変わります。
NISAは、投資による売却益や配当・分配金が非課税となる制度です。現行制度では、つみたて投資枠は年間120万円、非課税保有限度額は成長投資枠と合わせて総額1,800万円です。
今回の積立額は年間120,600円、45年間の買付元本は5,427,000円なので、ほかにNISAを利用していない前提では制度上の限度額内に収まります。
同じ「年率3%」でも、最終結果が同じになるとは限らない
変額保険とNISAを比較するときに注意したいのが、同じ年率3%リターンと表示されていても、その意味が同じとは限らないという点です。
今回検討した変額保険では、支払った保険料の一部が、契約の締結・維持、死亡保障などに必要な費用に充てられ、残った金額が特別勘定で運用されます。
特別勘定に繰り入れた後も、死亡保障に必要な費用や運用関係費が控除されます。つまり、月額保険料11,530円の全額が、そのまま資産運用に回るわけではありません。
一方、NISAも費用が一切かからないわけではありません。投資信託を選んだ場合には、信託報酬などの商品ごとの費用があります。
したがって、比較するときは、パンフレットに掲載された想定利回りだけでなく、次の金額を確認する必要があります。
最終的に、費用控除後で自分の資産としていくら残るのか。45年間という長い期間では、毎年のわずかなコスト差も、最終的な金額に影響する可能性があります。
今回の結果では、②定期保険+NISAが1,460,748円多く資産を増やすことができました。
受け取る際の税制や商品ラインナップは
受取時の出口課税関係でも、NISAは受取時の非課税の税制メリットがありますが、変額保険は解約返戻金、満期保険金は一時所得として特別控除(最高50万円)があり、比較しても変額保険の税の優遇は少ないです。
また、変額保険運用先であるファンドのラインナップ数が約10ファンドぐらいが平均ですが、証券投資のNISAでは、大手ネット証券を選ぶことによって、対応する約2,500ファンドや個別株、ETFの中から吟味して選ぶことが可能になります。
死亡時の受取り方にも違いがある
今回検討した変額保険では、保険期間中に死亡した場合、基本保険金額と死亡時の積立金額のうち、いずれか大きい金額が死亡保険金となります。
つまり、基本保険金額が1,000万円の場合、原則として「1,000万円と積立金の合計」ではなく、1,000万円または積立金額のいずれか大きい方です。
一方、「定期保険+NISA」では、
- 定期保険の死亡保険金1,000万円
- その時点で保有しているNISA資産
が別々に存在します。
ただし、NISA資産は生命保険金のように指定された受取人へ直接支払われるものではなく、相続財産として所定の手続が必要です。
NISA口座の保有者が死亡した場合、相続人は金融機関へ死亡届出書を提出し、NISA口座内の商品は口座から払い出されます。
そのため、単純な金額だけでなく、誰に、どのような手続で、どのタイミングでお金や有価証券を渡したいかまで考えることが必要です。
途中でお金が必要になった場合
NISAで保有している商品は、必要に応じて売却できます。2024年からのNISAでは、商品を売却すると、その商品の取得価額分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。もっとも、相場が下落しているときに売却すれば、元本を下回ることがあります。
変額保険も途中解約はできますが、解約返戻金は運用実績によって変動します。
今回検討した商品では、解約返戻金や満期保険金に最低保証がなく、保険料払込期間が10年未満の解約などには解約控除がかかります。早期解約の場合、払い戻しがないこともあるとされています。
転職、独立、住宅購入、教育費、介護など、45年間にはさまざまなライフイベントが起こります。
将来のお金の使い道がまだ決まっていない人にとっては、保障と資産形成を分けておくことで、それぞれを見直しやすくなる場合があります。
変額保険が向いている人もいる
ここまで読むと、「定期保険+NISAの方がよい」と感じるかもしれません。しかし、変額保険そのものが悪いわけではありません。
例えば、次のような価値観を持つ方には、変額保険が選択肢になることがあります。
- 保障と資産形成を一つの契約で管理したい
- 保険の仕組みを利用して長期積立を継続したい
- 商品や特約に付帯する保険料払込免除・三大疾病などを保障を重視したい
反対に、保障額と資産形成額を分けて管理し、途中で柔軟に見直したい方には、「定期保険+NISA」が合いやすいと考えられます。
PrivateFpの考え方
今回の条件では、PrivateFpは、まず
65歳までの死亡保障は定期保険で準備し、資産形成はNISAで行う。
という方法を第一候補として考えます。
理由は、単にNISAの試算額が大きいからではありません。
- 保障にかかる費用と資産形成回す金額を分けて確認できる
- 受け取る際の税制は保険金よりNISAでの売却が有利
- 資産形成の状況が分かりやすい、NISAなら幅広い金融商品から選択可能
- 保障と資産運用をそれぞれ見直しや解約が可能
- ライフプランの変化に対応しやすい
- 自分の資産として保有している金額を把握しやすい
という点を重視しているためです。
一方で、商品管理の手間を減らしたい方や、保険の仕組みを使って積立を継続したい方にとっては、変額保険の一体型の仕組みが安心につながることもあります。
大切なのは、「どちらが絶対に得か」ではありません。
保障と資産形成を一緒に管理したいのか。それとも、それぞれを分けて自由に見直したいのか。保障が充実させたいのか。それとも、効率よく資産の最大化を目指すのか。
ご自身の価値観、家計、家族構成、資産の運用方針に合った方法を選ぶことが大切です。
PrivateFpは数多くのファイナンシャルプランニングの経験から、お客様の必要とする生命保険設計、納得のできる金融資産運用設計を支援します。
相談者に合った「最適解」を一緒に検討、お気軽に相談ください。
Q&A よくある質問
-
変額保険の保険料は、全額が運用されるのですか?
-
全額が運用されるわけではありません。今回検討した商品では、保険料の一部が、契約の締結・維持、死亡保障の最低保証などに必要な費用に充てられ、残りが特別勘定で運用されます。さらに、特別勘定からも死亡保障に必要な費用や運用関係費が控除されます。
-
死亡した場合、「変額保険」と「定期保険+NISA」では何が違いますか?
-
今回検討した変額保険では、死亡保険金は、基本保険金額と死亡時の積立金額のいずれか大きい金額です。定期保険+NISAでは、定期保険金1,000万円と、その時点のNISA資産が別々に存在します。ただし、NISA資産は相続財産として手続することになり、指定受取人へ直接支払われる生命保険金とは、受取り方や税務上の取扱いが異なります。
-
途中で積立をやめたり、お金を引き出したりできますか?
-
NISAでは、積立額の変更や積立停止、保有商品の売却ができます。ただし、相場が下落しているときに売却すれば、損失が確定する可能性があります。また、NISA口座で生じた損失は課税口座の利益との損益通算や繰越控除ができません。変額保険も解約や減額ができる場合がありますが、契約初期には解約控除がかかることがあります。
-
認知症への備えとして、変額保険に加入する必要がありますか?
-
変額保険に加入しなければ認知症対策ができない、ということではありません。認知症への備えは、「変額保険かNISAか」という商品比較とは別に、代理制度、成年後見制度、任意後見制度、家族信託、家族への情報共有などを含めて考える必要があります。
-
変額保険が向いているのは、どのような人ですか?
-
保障と資産形成を一つの契約で管理したい、商品や特約による保険料払込免除や三大疾病などを保障を重視したいという方は選択肢になります。ただし、途中解約の可能性が高い方や、家計に余裕がない方は、特に慎重な検討が必要です。
-
定期保険+NISAが向いているのは、どのような人ですか?
-
死亡保障と資産形成を分けて考えたい、何にいくら支払っているかを明確にしたい、転職・独立・住宅購入・教育資金などに合わせて柔軟に見直したい、将来、積立額を増減する可能性がある、自分で運用商品を積極的に選び運用リターン上げる、相場下落時も積立を続けられる方は合っています。
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公式サイト 金融庁ホームページ 保険会社向けの総合的な監督指針(II .保険監督上の評価項目 II -4 業務の適切性)
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