【1級FP監修】NISAを今から始めるのは遅くない!人生で今が一番若い。時間を味方につける資産づくり

資産運用のご相談時に「もう60代だから、NISAを始めるには遅いのでは?」、「70代・80代で投資を始めても意味があるの?」「NISAを当初始めた方は儲かって、これからはダメだよ。」

このような相談を受けることがあります。結論から言えば、NISAを始めるのに「遅すぎるからダメ、儲からない」ということはありません。大切なのは、年齢だけで判断するのではなく、「そのお金を誰が、いつ、何のために使うのか」で考えて設計する視点です。

今回は年齢別のNISAの設計方法・考え方を解説します。

【結論】NISAの設計は、お金の誰が、いつ、何のために使うか、という視点で設計して始めよう。

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NISAの概要

NISAは、株式や投資信託などから得られる売却益や配当・分配金が非課税になる制度です。

通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内の利益は非課税になります。また、2024年からのNISAでは非課税保有期間が無期限となり、制度も恒久化されました。年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円、合計で年間360万円まで。生涯の非課税保有限度額は最大1,800万円です。

一人一口座しか作れない重要な制度です。

60歳代以降も長期投資

60代、70代、80代になると「もう長期投資はできない、NISAを始めるのは遅い。」と思いがちですが、実際にはそうとも限りません。

厚生労働省の令和6年簡易生命表では、60歳の平均余命は男性23.63年、女性28.92年、70歳では男性15.60年、女性19.97年、80歳でも男性8.96年、女性11.83年です。

つまり、60代からでも20年前後、70代からでも10年以上の時間を見込める方は少なくありません。

もちろん、投資には元本割れのリスクがあります。株式や投資信託などは預貯金より高いリターンを期待できる一方で、元本割れの恐れがああります。

一方で、長期・積立・分散などを意識することで、価格変動と上手につき合いながら資産形成を目指すことができます。

【関連記事】長期・積立・分散でリスクを下げる資産運用を解説

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アセットアロケーション

ここで重要なのが、年齢に合ったアセットアロケーション、性質の異なる有価証券をどの割合に配分するか決めて設計しNISA口座内で保有するすることです。

60代の方は、退職金や預貯金をすべて投資に回すのではなく、まず日々の生活費・医療費、数年後に使う大きな資金(自動車購入、リフォーム費用)など、近い将来使うお金を安全資産として確保することが大前提です。

そのうえで、10年以上使わない余裕資金については、NISAを活用して世界株式やバランス型の投資信託などで運用を検討する余地があります。

70代の方は、生活資金の安定性をより重視しながらも、「自分が使うお金」と「当面使わないお金」を分けることが大切です。

使う予定のない資金まで全額預貯金にしておくと、インフレによる実質的な目減りも考えられます。無理のない範囲で、資産の一部を成長資産に置く設計もあります。

80代の方は、まずご自身の安心が最優先です。医療・介護・住まい・日常生活に必要な資金は、安全性と流動性を重視します。

ただし、資産の一部を「子どもや孫に残すお金」「引き継ぐ金融資産の最大化」と明確に位置づけるなら、そのお金の運用期間はご本人の年齢だけでは決まりません。

受け取る若い世代が20年、30年と運用を続けられる可能性があるなら、承継を前提とした資産については、ある程度リスクを取るという設計も可能です。

つまり、資産を3つに分けて考えることがポイントです。

お金の目的考え方
近い将来使うお金現預金、円建て債券など安全性・流動性を重視
10年以上使わないお金NISAで分散投資を検討
次世代に残すお金受け取る世代の運用期間も考えてリスク許容度を考える

亡くなった場合のNISA口座

NISA口座そのものを相続人がそのまま非課税で引き継げるわけではありません。

NISA口座の開設者が亡くなった場合、相続人は金融機関に「非課税口座開設者死亡届出書」を提出し、NISA口座内の上場株式等は払い出されます。

亡くなった時までの含み益には非課税措置が適用されますが、その後は相続人の特定口座や一般口座に移管されます。

「次世代に残す前提でリスクを取る」場合は、投資方針だけでなく、相続・贈与・遺言・家族間の共有も大切です。

自分の安心を守りながら、残す資産は若い世代の時間を味方につける。これが、60代・70代・80代からのNISA活用で大切な視点です。

【関連記事】NISA、iDeCoで亡くなったら?相続時の手続きや税務を解説や比較

年齢に合わせて設計、全年齢対応のNISA口座に

NISAは、若い人だけの制度ではありません。

「人生で今が一番若い。」

NISAをできない理由を並べたり、始めるタイミングを悩み続けるより、まずは「使うお金」と「育てるお金」を分けることから始めてみましょう。

年齢に合ったアセットアロケーションを組めば、NISAは何歳からでも資産づくりの選択肢になり、全年齢対応が可能になります。

PrivateFpは数多くのファイナンシャル・プランニングの経験から、iDeCo、NISAを賢く使った資産運用を提案します。
相談者に合った「最適解」を一緒に検討、お気軽に相談ください。

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佐久眞 盛春の顔写真
執筆・監修: 佐久眞 盛春 (CFP®/1級FP技能士)
Private Fp 合同会社 代表社員。NISA・iDeCoなどの資産運用、生命保険見直し、家計改善、ローン相談のFP実務支援、キャリアコンサルティングが専門。 プロフィールCFP®情報

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証券投資は、預金と違い元本保証はありませんので、ご注意ください。

Q&A よくある質問

60代からNISAを始めるのは遅いですか?

遅くありません。60代でも平均余命は20年前後ある方が多く、資産の一部については長期運用を考えられます。大切なのは、生活費や医療費など必要なお金を確保したうえで、余裕資金で始めることです。

70代・80代でもNISAを使う意味はありますか?

あります。ただし、若い世代と同じように大きくリスクを取る必要はありません。ご自身が使うお金は安全性を重視し、使う予定のないお金や次世代に残すお金について、分散投資を検討するという考え方が現実的です。

高齢になるほど株式比率は下げるべきですか?

「自分が使うお金」については、年齢が上がるほど安全資産の比率を高めるのが基本です。一方で、「子どもや孫に残すお金」「引き継ぐ金融資産の最大化」として考えるなら、受け取る世代の運用期間も考慮できます。その場合、本人の年齢だけでなく、資産の目的でリスクの取り方を決めることが大切です。

子どもや孫に残す前提なら、リスクを取ってもよいですか?

一定の条件を満たすなら、検討の余地があります。たとえば、ご自身の生活費・医療費が十分に確保されており、相続人もNISAの制度理解・利用、長期運用を理解している場合です。ただし、NISA口座そのものを相続人が非課税口座として引き継ぐことはできず、相続後は特定口座や一般口座に移管されます。

退職金を一括でNISAに入れてもよいですか?

一括投資は悪い選択ではありませんが、価格変動の影響を強く受けます。相場下落が不安な方は、数か月から数年に分けて投資する方法もあります。積立投資は決まった金額を継続的に投資する方法であり、高値づかみを避けやすい考え方です。ただし、積立投資でも損失が出ないわけではありません。

NISAを始めるべきですか?

「必ず始めるべき」とは言えません。生活資金に余裕がない場合、投資よりも現預金の確保が優先です。一方で、使う予定のない資金があり、長期で保有できるなら、60代・70代・80代でもNISAは有効な選択肢になり得ます。大切なのは、年齢ではなく「目的別にお金を分けること」です。

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