【1級FP監修】証券会社の口座不正アクセス・不正取引の事例と対策、各社の対応

証券会社を装う偽サイトなどでログイン情報を盗み、本人に無断で株式などを売買する不正アクセス・不正取引が問題となっています。
金融庁は、不正アクセス件数、不正取引件数、売却金額・買付金額を公表しています。ただし、公表される売買金額は不正な取引の累計額であり、投資家が実際に失った金額をそのまま示すものではありません。
大切な資産を守るため、フィッシングの手口を知り、利用する証券会社の認証設定と被害時の連絡先を確認しましょう。この記事では、SBI証券・楽天証券の対応と、日頃から取り組みたい対策を解説します。
※認証方法・補償方針は2026年9月6日に公式情報を確認しています。
投資家の皆様は、大切な資産を守るためにその手口の事例と対策、各証券会社の対策を確認して、不正ログイン・不正取引への防衛力を高めましょう。
【結論】ログインは決まったアプリ・WEBサイトから行い、各証券会社の推奨するセキュリティやパスキーを設定する。不審な取引がないかメールや取引内容をこまめに確認、不審な点があれば速やかに証券会社に連絡しましょう。
不正ログイン・不正取引の手口の事例と対策
投資家が実際に利用する証券会社を装った偽ウェブサイト・偽アプリ(フィッシングサイト・アプリ)及びマルウェア(ウイルス等)で窃取した個人情報(ログインID、ログインパスワード、取引パスワード)によるインターネット取引サービスでの不正アクセス・不正取引の手口・事例を紹介します。
①LINEやSNSからの有名人や投資案内
LINE、Facebook、TikTok、InstagramのSNSやEメール、ショートメール等を通じて、実在する証券会社、有名人を装い投資セミナーや投資の案内や勧誘を通じて、個人情報(ログインID、ログインパスワード、取引パスワード)を盗み取る手口です。
②証券会社を装ってのフィッシングメール
Eメールや電話番号でのショートメールから、
【メール件名】デバイス認証の義務化と補償制度適用条件のお知らせ、(ご注意)未読メッセージによるサービス利用制限についてなど、「期限までに手続きしないと口座が利用できなくなる」「補償を受けるために申請が必要」と不安をあおり、メールやSMSのリンクから偽サイトへ誘導します。
そこでログインID、パスワード、取引暗証番号などを入力させ、情報を盗み取る手口です。
HPサイトのレイアウトやログインiD入力のレイアウトが本物と似ている場合もあります。
③FreeWi-Fiからの傍受・なりすまし
偽サイトに入力したID・パスワードだけでなく、その直後に届く認証コードや絵文字なども入力させ、リアルタイムで悪用する手口があります。
このため、メールなどを使う追加認証を設定していても、偽サイトへの入力によって不正ログインを許してしまう場合があります。
公式サイトや公式アプリからアクセスし、証券会社が提供するパスキー認証への移行を進めましょう。
④共通の対策
・証券会社の公式サイトを事前にブックマークし、公式アプリと合わせて、決まった方法でアクセスする。
・メール、SMS、SNSのリンクから開いた画面には、ログイン情報や認証コードを入力しない。・証券会社が提供するパスキー認証などのセキュリティ機能を設定する。
・パスワードは長く推測されにくいものにし、証券会社やメールなどのサービス間で使い回さない。漏えいや偽サイトへの入力が疑われる場合は、速やかに変更する。
・OS、ブラウザ、証券取引アプリを最新の状態に保ち、端末に応じたマルウェア対策を行う。不審なアプリやブラウザ拡張機能をインストールしない。
・ログイン通知、取引履歴、出金履歴を確認し、登録メールアドレスや電話番号が無断で変更されていないか点検する。
・提供元が分からないWi-Fiには接続せず、証券取引では自宅の適切に管理された回線や携帯電話回線などを利用する。
費用も発生しますが、最新バージョンのウイルス対策ソフトをスマホやPCにインストールやアップデートをすることも必要な対策です。
各社のセキュリティ対応、防止策
証券会社では、不正アクセスを防ぐため、パスキー認証の導入・必須化などを進めています。
利用する端末やサービスによって設定方法が異なるため、各社の最新案内に従って確認しましょう。
SBI証券の取り組み
SBI証券では、2026年6月13日から全チャネルでパスキー認証に対応し、6月30日から原則必須化しています。
公式FAQでは、ユーザーネーム・パスワードによるログインも引き続き可能と案内されていますが、パスキーを設定するまで継続的に設定案内が表示・配信されます。利用環境を確認し、早めに設定しましょう。
なお、従来の「デバイス認証」は2026年6月13日に廃止されました。ユーザーネーム・パスワードでログインする場合は、リスク検知時にメールによる追加認証が求められます。登録メールアドレスを最新の状態に保つことも大切です。
楽天証券の取り組み
楽天証券では、すべての取引チャネルでパスキー認証に対応し、2026年6月以降、ログイン時のパスキー認証を順次必須化しています。
必須化の時期は利用者ごとに異なり、個別に案内されます。
2026年5月31日からは、スマートフォンに加えてパソコンにもパスキーを直接保存できるようになりました。
利用する端末の対応状況を確認し、公式サイトや公式アプリから設定してください。
パスキーは顔・指紋による生体認証のほか、端末のPINやパスコードなどでも利用できます。
登録メールアドレス・電話番号も最新の状態に保ちましょう。
各社の補償対応、自分できる対策
2025年に問題となったフィッシング詐欺等による不正取引について、SBI証券・楽天証券は補償方針を公表しています。以下は、その事案に関する公表方針の概要です。
| 証券会社 | 公表されている補償の概要 |
|---|---|
| SBI証券 | 同社が対象とする損失・評価損の原則50%を金銭補償。対象となる売買手数料等の費用は全額補償し、お見舞金1万円を支給。 |
| 楽天証券 | 同社が定義する被害額の50%を基本に金銭補償。不正取引による売買手数料を返金し、お見舞金1万円を支給。 |
両社とも、不正に買い付けられた有価証券の損失等と、もともと保有していた有価証券が無断で売却された場合を区別しています。売却のみの被害では、同じ損失補償の計算が適用されるわけではありません。
補償内容は、被害状況や口座の利用状況などを個別に確認したうえで決まります。今後発生するすべての被害について、同じ割合・条件で補償されると保証するものではありません。発生時期、対象取引、損失の算定方法、必要書類を利用する証券会社に確認しましょう。
また、補償申請やセキュリティ設定を口実にした偽メールにも注意が必要です。案内の確認や手続きは、公式サイト・公式アプリ、または確認済みの公式窓口から行いましょう。
今後、悪意のある者が不正ログイン後にメールアドレスや電話番号を変える事案も発生しているため、こまめに取引内容の確認や登録メールアドレスや電話番号の確認・最新化も行ってください。
また、セキュリティ対応や補償対応に便乗するフィッシング詐欺メール等にも注意が必要です。
日頃の金融、投資情報も信頼できる発信源から取得するようにしましょう。
PrivateFpは数多くのファイナンシャル・プランニング、金融資産運用設計の経験から、資産運用・資産形成を支援します。
相談者に合った「最適解」を一緒に検討、お気軽に相談ください。
Q&A よくある質問
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不正アクセスに合わない方法はありますか?
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絶対にない方法はありませんが、いつも決まった方法(アプリ、ブックマーク、お気に入り)からのログインを必ず心掛けてください。また、証券会社によっては自分を含めてログインを一切できなくする方法もあります。
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不正アクセスや身に覚えのない取引に気づいたら、どうすればよいですか?
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速やかに証券会社の公式窓口へ連絡し、ログイン・取引・出金の停止など、被害拡大を防ぐ対応を相談してください。
ログインできる場合は、安全な端末からパスワード等を変更し、同じパスワードを使っている他のサービスも変更します。身に覚えのない取引、ログイン履歴、不審なメール、証券会社とのやり取りは保存してください。
不正アクセスや不正取引の被害については、警察にも相談しましょう。パスワードを変更しただけで、対応を終えないことが大切です。
一次情報 公式サイト 日本証券業協会ホームページ フィッシング詐欺等による証券口座への不正アクセス等による対応について
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