【1級FP監修】 奨学金情報をわかりやすく解説|進学予定の高校生向け

高校生の新学期は、進路だけでなく、進学費用の準備を考え始める時期です。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、原則返還不要の給付奨学金と、卒業後に返還する貸与奨学金があります。
来年度に大学・短大・高等専門学校・専門学校などへ進学予定の高校生は、高校在学中に申し込む「予約採用」から進学後の費用を準備することができます。
【結論】家計金融と子どものキャリアを把握して、教育資金の準備、余裕を持った進路決定を。
JASSO「予約採用」の基本
予約採用は、いま通っている高校等を通じて申し込むのが基本です。
卒業生も初めて高校等を卒業した年度の末日から、申込日までの期間が2年以内なら申込みでき、高等学校卒業程度認定試験の合格者・合格見込者はJASSOへ直接申し込みます。
また、授業料等減免を希望する人や、多子世帯向けの授業料等減免だけを希望する人も、給付奨学金への申込みが必要です。
JASSOの周知資料では、2027年度進学予定者向けの入学前申請期間の目安を2026年4月下旬~7月末としていますが、実際の締切日は学校ごとに異なるため、まずは高校の先生や手続き担当窓口へ早めに確認することが大切です。また、予約採用の追加募集の有無は高校へ確認してください。予約採用に申し込めなかった場合は、進学後の在学採用の募集時期・申込資格を進学先で確認しましょう
奨学金の種類
奨学金の種類を確認すると、給付奨学金は「もらう支援」、貸与奨学金は「借りる支援」です。
貸与奨学金のうち、第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子で、これに加えて入学時の一時金として利用する入学時特別増額貸与奨学金があります。
給付と貸与は同時に申し込めますが、給付奨学金や授業料等減免を受けながら第一種奨学金を利用する場合は、第一種の月額が調整され、場合によっては0円になることもあります。
給付奨学金では、世帯収入や進学先、通学形態によって支給額が変わります。
例えば、第Ⅰ区分の月額として、国公立・自宅通学29,200円、国公立・自宅外通学66,700円、私立・自宅通学38,300円、私立・自宅外通学75,800円が示されています。
第Ⅱ区分、第Ⅲ区分、第Ⅳ区分と段階があり、第Ⅳ区分は多子世帯が対象です。
JASSOは、入学前に申し込めば進学後すぐに支援される一方、進学後に申請した場合は4月分からの支援対象になっても、実際の支援開始が数か月後になると案内しています。
早い段階の新学期のうちに動き出す意味はここにあります。
授業料等減免の多子世帯支援
多子世帯支援は生計維持者が扶養する子どもが3人以上で、本人もその扶養に入っている場合、多子世帯支援の対象になります。人数は申告内容と住民税情報等に基づいて判定されます。一定の所得がある学生世代の子どもも人数に含められる場合があり、きょうだいについて別途申告が必要になる場合があります。
大学の授業料・入学金の減免上限額として、国公立で入学金28万円・授業料54万円、私立で入学金26万円・授業料70万円、私立専門学校で入学金16万円、授業料59万円が案内されています。
さらに、所得に応じた支援区分に該当しない場合でも、一定の資産基準の範囲内で多子世帯に当てはまれば、授業料等減免は満額支援の対象になる場合があります。
対象となる基準は?
給付奨学金は、学力基準と家計基準の両方を見ます。
JASSOは、予約採用の給付奨学金について、申込日時点で申込者と生計維持者の資産合計が5,000万円未満であることを示しています。
資産には現金、預貯金、有価証券、投資信託、NISAで保有している投資額なども含まれ、住宅ローンなどの負債と相殺はできません。
一方で、不動産や満期前の保険料などは対象外です。学力面では、評定平均3.5以上が一つの目安ですが、学修意欲の確認で判断される場合もあります。
細かな収入基準は家族構成で変わるため、JASSOの公式サイト 進学資金シミュレーターで早めに試算しておくのが安心です。
奨学金の返還方法
適正な貸与奨学金額を考えるときは、「いくら借りられるか」より先に、お子様が債務者(お金を借りる人)になるため「子どもが卒業後に無理なく返せる金額はいくらか」を考えることが大切です。
JASSOでは、第二種奨学金は月額2万円~12万円を1万円刻みで選択でき、第一種は進学先や通学形態に応じて上限額が決まっています。
貸与奨学金には、機関保証または人的保証を付けて申し込む必要があり、機関保証は保証料が差し引かれ、人的保証は連帯保証人と保証人が必要です。
進学後に月額変更もできますが、借入額が大きくなるほど将来の返還負担も重くなります。
返還の仕組みも、申込前に知っておきたいポイントです。
JASSOは、貸与奨学金の返還は貸与終了の翌月から数えて7か月目に始まると案内しています。
3月に貸与終了した場合は、10月から口座振替(原則27日振替、休業日は翌営業日)で返還が始まるイメージです。
第一種奨学金は、所得連動返還方式か定額返還方式を選べますが、第二種は定額返還方式です。第一種奨学金で所得連動返還方式を選ぶ場合は、機関保証への加入が必要です。
もし卒業後に病気、失業、低収入などで返還が難しくなった場合でも、減額返還、返還期限猶予、進学時の在学猶予などの制度があります。利用できる制度は返還方式や家計状況等によって異なり、申請・審査が必要です。
また、学校からの推薦により、特に優れた業績による返還免除の制度もあります。
貸与奨学金は、借りる前に返し方まで理解しておくことが大切です。
進学前の資金準備とその他制度
JASSOの給付奨学金・貸与奨学金は、進学後に振込みが始まります。入学時特別増額貸与奨学金も進学後の振込みとなるため、進学前に納付する入学金などの資金は別途準備する必要があります。一方、授業料等減免は、学校が入学金・授業料を減額・免除する制度です。入学前の納付、納付猶予や納付済み費用の還付については、進学先に確認してください。
進学前の資金準備としては、低所得世帯向けの生活福祉資金貸付制度の教育支援資金、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」、対象者が限られる労働金庫の「入学時必要資金融資」などがあります。利用条件や審査、融資までの期間と学校の納付期限を確認して検討しましょう。
国の教育ローンと入学時特別増額貸与奨学金を併願し、国の教育ローンに採用された場合は、入学時特別増額貸与奨学金を利用できません。なお、家計基準等により国の教育ローンの申込手続を省略できる場合があります。採用候補者決定通知で、申込手続の要否を確認してください。
奨学金の適切な貸与額は?
新学期のうちに、制度と学校の締切確認、家族での方針決め、まで進めておくと、秋以降の進路選択に余裕が生まれます。
家族で方針を決める際には、「我が家に適切な奨学金額はいくらか」が悩みの一つになります。
貸与額が高額になると、卒業後の返還額も大きくなり、負担が増えます。一方、貸与額を少なくすると返還負担は軽くなりますが、授業料や生活費を十分に賄えるか確認する必要があります。
適切な貸与額は、今後の家計収支の不足額、卒業後の収入見込みと生活費、毎月の返還額を比較しながら検討しましょう。
また、親世代の投資政策の方針からも決まる場合もあります。
公式サイト 奨学金貸与・返還シミュレーション を利用して検討しましょう。
PrivateFp合同会社は数多くのファイナンシャル・プランニングとキャリアコンサルティングの経験から、家計金融とお子様のキャリアに合った奨学金の適切な貸与額を提案します。
相談者に合った「最適解」を一緒に検討、お気軽に相談ください。
Q&A よくある質問
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給付奨学金と貸与奨学金は、どちらか一方しか申し込めませんか?
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いいえ、同時に申し込めます。ただし、給付奨学金や授業料等減免を受けながら第一種奨学金を利用する場合は、第一種の月額が調整され、0円になることもあります。また、授業料等減免を希望する人は、給付奨学金への申込みが必要です。
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予約採用は、いつ申し込めばいいですか?
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申込期限は学校ごとに異なります。JASSOの2027年度進学者向け資料では、入学前申請期間の目安を2026年4月下旬~7月末としています。実際の締切や追加募集の有無は、在学中または卒業した高校等へ確認してください。予約採用に申し込めなかった場合は、進学後の在学採用の募集時期・申込資格を進学先で確認しましょう
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多子世帯で、授業料等減免だけを受けたい場合も申込みが必要ですか?
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必要です。JASSOは、多子世帯への授業料等減免のみ対象となる人も、給付奨学金に申し込むよう案内しています。申込画面の中で、修学支援新制度を希望するかどうかを確認する流れです。
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進学前の入学金や前期納付金に、JASSO奨学金は使えますか?
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そのままでは難しいことがあります。JASSOの給付奨学金や授業料等減免、貸与奨学金は、基本的に進学後の手続きと振込になります。進学前にまとまった資金が必要な場合は、生活福祉資金貸付制度、国の教育ローン、労働金庫の入学時必要資金融資なども検討対象になります。
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貸与奨学金は、卒業したらすぐ返し始めるのですか?
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すぐではありません。返還は、貸与終了の翌月から数えて7か月目に始まります。3月に貸与終了した場合は、10月からの返還開始です。返還が難しい場合には、返還方式や家計状況等に応じて減額返還・返還期限猶予などを利用できる場合があります。それぞれ要件があり、申請・審査が必要です。
税制・法律・制度の取扱いについての記述は、発信時の関係法令等に基づき記載したものです。今後、変更の場合もあります。
一次情報|参考資料
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参考資料・リンク確認日:2026年10月31日。
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