【1級FP監修】令和8年度年金額改定、上がったが実質目減り

年金手帳のイメージ図

令和8年度の年金額改定のお知らせが1月に発表されました。今回の令和8年度4月分と5月分(6月15日支払い)の国民年金はいくらになるでしょうか。

令和4年度月額64,816円、令和5年度月額66,250円、令和6年度月額68,000円、令和7年度69,308円、今年は令和8年度70,608円になりました。
2026年度の年金額は、2025年の物価変動率3.2%より低い名目手取り賃金変動率2.1%を基準に改定されています。

さらにマクロ経済スライドによる調整が行われ、基礎年金は1.9%、厚生年金の報酬比例部分は2.0%の引上げとなりました。年金額は増えていますが、今回の改定率は、改定に用いた前年の物価上昇率を下回っています。

物価変動に応じた改定ルールが法律に規定されている児童扶養手当、特別児童扶養手当、老齢年金生活者支援給付金の手当などは令和7年の物価変動率3.2%に基づき、3.2%の引上げとなっています。

【結論】公的年金は完全な物価連動ではない、資産運用など自助努力が必要な場合もあります。

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マクロ経済スライドとは

現在の年金制度は、高齢化により公的年金支給総額が増える一方、少子化により保険料を負担する世代が減少する状況で、単に物価・賃金に連動の年金増減システムだと、現役世代の負担を増やす要因になります。

マクロ経済スライドは、公的年金の被保険者数の変動と、平均余命の伸びを勘案した一定率に基づいて、年金額の伸びを調整する仕組みです。少子高齢化が進む中で、将来世代の給付水準を確保することを目的としています。

マクロ経済スライドの適用によって年金の名目額が前年度を下回る場合は、年金額の伸びがゼロになるまでの調整にとどめます。調整しきれなかった分は翌年度以降に繰り越し、賃金・物価による改定率がプラスとなる年度に調整します。ただし、賃金・物価の下落自体によって年金額が減る場合はあります。

2026年度のマクロ経済スライドによる調整率は、次のとおりです。

・国民年金(基礎年金):▲0.2%
・厚生年金(報酬比例部分):▲0.1%

在職老齢年金の支給停止調整額も改定

在職老齢年金は、厚生年金に加入して働く方などが受け取る老齢厚生年金について、給与・賞与に応じて支給額を調整する仕組みです。老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額を超える場合、超過額の2分の1を基本として、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止されます。老齢基礎年金は支給停止の対象になりません。

基本月額は、加給年金額を除いた老齢厚生年金の報酬比例部分の月額です。総報酬月額相当額は、その月の標準報酬月額と、直近1年間の標準賞与額の合計を12で割った額を合算したものです。

2026年4月の制度改正により、支給停止調整額は2025年度の月51万円から、2026年度は月65万円に引き上げられました。この基準額は、毎年度、賃金の変動に応じて改定されます。

現在の年金制度はインフレに弱い

老後の最低限の生活を確保する為に、年金額は物価上昇や賃金上昇に完全に連動することが望ましいと考えます。なぜなら、年齢を重ねるにつれて、収入を作り出す方法や増やす方法、お金を借りる方法が少なくなります。

就労や投資の機会が減り、お金を金融機関から借りる際、一定の資産がないと難しくなります。

マクロ経済スライドは年金制度の持続可能性を高め、将来世代の給付水準を確保するための制度ですが、実際の物価上昇・賃金上昇との連動性が弱くなり、実質は目減りしているということになります。

安心して暮らす為に年金は大事な将来の収入の源です。その年金が物価上昇や賃金上昇に完全に連動しないと非常に心配です。

今からできること、老後の設計、将来への資産形成

将来、年金収入だけで生活していくことが厳しい時代になります。なので今一度考えてみましょう。

「年金収入だけで生活する時期まであと何年ありますか、その時期までお給料をあと何回受け取れますか。」

現在45歳で70歳まで働くと仮定したら、残り25年間、お給料を受取れる回数は25年×12回=300回となります。
「その年数と回数が最大の武器になります。」この武器を使って資産形成していきましょう。

自分自身の残された年数と受け取れるお給料の回数をしっかり考えて資産形成に取り組みましょう。投資など資産運用は自己責任でリスクがあることをしっかり理解しなければなりませんが、税金のメリットがあるiDeCoやNISAなど資産形成を応援してくれる制度があります。

PrivateFp合同会社は数多くのファイナンシャル・プランニング、金融資産運用設計の経験から、自分自身に合った資産運用を支援します。
相談者に合った「最適解」を一緒に検討、お気軽に相談ください。

佐久眞 盛春の顔写真
執筆・監修: 佐久眞 盛春 (CFP®/1級FP技能士)
Private Fp 合同会社 代表社員。NISA・iDeCoなどの資産運用、生命保険見直し、家計改善、ローン相談のFP実務支援、キャリアコンサルティングが専門。 プロフィール / CFP®情報

作成方法:一次情報(法令・公的統計)を確認のうえ執筆。生成AIは草案作成・表現整理に限定し、最終チェックは人手で実施。内容は執筆時点の情報であり、投資勧誘・個別推奨ではありません。

Q&A よくある質問

受け取れる年金額を調べる方法はありますか?

「ねんきんネット」で、ご自身の加入記録に基づく年金見込額を試算できます。今後の働き方や受給開始年齢などの条件を変えて確認することも可能です。

「ねんきん定期便」でも確認できますが、年齢等によって表示内容が異なります。50歳以上60歳未満では、現在の加入条件が60歳まで続くと仮定した見込額が表示されます。60歳以上65歳未満では、定期便作成時点の加入実績に基づく見込額となります。

付加保険料の年金も増えますか?

付加年金には、物価スライドによる毎年度の改定はありません。基本となる年額は「200円×付加保険料を納めた月数」で計算します。なお、繰上げ・繰下げ受給による増減とは別の取扱いです。

令和8年度、令和9年度の国民年金保険料も上がりますか?

令和8年度月額17,920円、令和9年度月額18,290円です。まとめて支払うと割引になる前納もあります。

税制・法律・制度の取扱いについての記述は、発信時の関係法令等に基づき記載したものです。今後、変更の場合もあります。

一次情報|参考資料

公式サイト 厚生労働省ホームページ 令和8年度の年金額改定について

公式サイト 日本年金機構 年金額の改定ルール

【関連記事】老齢基礎年金を増やす「任意加入制度」メリットとデメリットや回収年数

参考資料・リンク確認日:2026年11月1日。

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