【1級FP監修】原油ETF・ETNが原油価格とずれる理由|ロールとリスク

2020年4月20日(現地時間)、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油先物2020年5月限は、1バレル(約159リットル)当たりマイナス37.63ドルの清算値を記録しました。特定の限月の先物価格であり、世界の原油価格すべてが同じ価格になったわけではありません。
世界の主要な原油価格指標には、WTI、北海ブレント、ドバイ原油などがあります。
当時は、新型コロナウイルスの感染拡大による需要急減に加え、現物の受渡し期限が迫る中で、利用可能な貯蔵余力の不足や保管コストの高騰が起きました。現物の受取りを避けるための売りが強まったことも、マイナス価格の背景にあります。
原油価格に連動する商品は数多く日本市場に上場しており、簡単に購入することが出来ましたが大きな下落になりました。
今回は原油先物連動商品を理解しましょう。
【結論】先物には期限があり、ロール(乗換え)とカーブ形状(コンタンゴ/バックワーデーション)で連動に差が出る。
「ニュースの原油」と「原油先物連動商品」は何が違う?
ニュースでは、WTIなどの特定限月の原油先物価格や、各地域の原油価格が報じられます。
一方、国内の原油先物連動商品は、参照する指標、投資する先物の限月、乗換え方法、為替の取扱いが商品ごとに異なります。直近限月の価格を対象指標とする商品も、複数限月の先物を組み合わせた指数を参照する商品もあります。
先物には期限があるため、保有を続けるには別の限月へ乗り換えるロールオーバーが必要です。対象指標の算出方法と、商品の実際の運用方法を目論見書等で確認しましょう。
ロール・イールドとは?
期近から期先へ乗り換えるときの価格差が運用成績に与える影響のこと。
バックワーデーション時:安い期先を買う→プラスになりやすい
コンタンゴ時:高い期先を買う→マイナスになりやすい
典型的な“ズレ”のメカニズム
ニュースの原油価格と商品の値動きが異なる主な要因です。
| 要因 | 何が起きる? | 結果 |
|---|---|---|
| ロール | 満期前に別の限月へ乗り換える | 保有限月や乗換え方法により、ニュースの価格と異なる値動きになる |
| レバレッジ・インバース型 | 日々の騰落率に所定の倍率をかける | 複利効果により、期間全体の騰落率は単純な倍率と一致しないことがある |
| 為替〔米ドル建て・為替ヘッジなしの場合〕 | ドル円相場が変動する | 米ドル建て原油価格が同じでも、円換算した値は変動する |
対象指標・基準価額・市場価格を分けて確認する
ニュースの原油価格と、各商品の対象指標は同じとは限りません。対象指標自体に、ロールや為替の影響が織り込まれている商品もあります。
また、対象指標と商品の基準価額・償還価額、これらと取引所の市場価格の間にも差が生じる場合があります。対象指標の算出方法、実際の運用方法、費用、市場価格と基準価額等との差を、それぞれ確認しましょう。
原油はマクロ・地政学・需給で大きく動く一方、先物の構造がパフォーマンスを左右します。
短期テーマとして捉えるのか、分散投資の一部として位置づけるのか。まずは目的との商品性の一致を確認しましょう。
PrivateFp合同会社は、数多くのファイナンシャル・プランニング、金融資産運用設計の経験から、ファイナンシャルプランを支援します。
相談者に合った「最適解」を一緒に検討、お気軽に相談ください。
Q&A よくある質問
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レバレッジ型は長期で不利?
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日々の騰落率に所定の倍率で連動する設計のため、2取引日以上の騰落率は、原指数の同期間の騰落率に倍率をかけた値と一致しないことがあります。特に上昇と下落を繰り返す相場では、複利効果によって価値が減少しやすくなる点に注意が必要です。保有期間だけでなく、値動きの経路や商品の仕組みを確認しましょう。
税制・法律・制度の取扱いについての記述は、発信時の関係法令等に基づき記載したものです。今後、変更の場合もあります。
一次情報|参考資料
公式サイト 日本取引所グループ レバレッジ・インバース指数の特性
参考資料・リンク確認日:2026年11月1日。
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